
インド移住を考えている方にとって、移住前の準備はとても重要です。
新しい土地での生活はワクワクする反面、不安も少なくありませんよね。特にインドのように生活環境や文化が大きく異なる国への移住では、事前の情報収集や準備が移住後の生活の質を大きく左右します。
私は、日本からインド(バンガロール)に実際に移住した経験を持つ40代のフリーランスウェブデザイナーです。この経験を通じて得た知識やエピソードを交えながら、「持っていくべきもの」「実は不要なもの」「現地調達が良いもの」など、インド移住前に役立つ情報をお伝えします。
これからインド移住を検討している方や準備を進めている方に向けて、少しでも参考になればと思います。
インド移住前に欠かせない準備
ビザの取得と必要な手続き
インド移住を計画する際、ビザの取得は最初に取り掛かるべき重要なステップです。インドでは長期滞在を必要とする場合、特定のビザ(雇用ビザや家族ビザなど)を取得する必要があります。例えば、雇用ビザの場合、年収が25,000米ドル以上といった条件が設定されている場合が多いため、あらかじめ確認しておくことが大切です。
ビザ申請には、パスポートのコピー、顔写真、雇用契約書などの書類が必要で、提出書類に不備がないように入念に準備しましょう。また、インドへの渡航予定日から逆算して余裕を持って申請することをおすすめします。手続きや審査には時間がかかることも多いので、「早め早め」が成功のカギです。
航空券や滞在先の手配方法
渡航するための航空券は、移住におけるもう一つの大切な準備です。特に移住の場合、一方向のみの片道チケットが必要ですが、片道航空券は往復チケットよりも高額になりやすい傾向があります。航空券の予約は各航空会社のウェブサイトや旅行代理店の比較ツールを活用し、タイミングやセール情報を掴むと節約につながります。
また、滞在先については、移住前の短期間で探しきれない場合もあります。そんなときは、まずはサービスアパートメントやAirbnbを数週間分確保すると安心です。その後、現地滞在中に物件を直接見て場所や設備を確認しながら長期的な住居を探す方法がスムーズです。バンガロールでは高級なアパートから手頃な住宅まで幅広い選択肢がありますよ。
住民票や銀行口座の手続き
日本を離れる際、住民票の手続きも欠かせません。住民票を除票することで、住民税や健康保険の継続について考慮する必要がなくなります。市区町村の役所で「海外転出届」を提出することで、住民票を除票できますが、その際、帰国後の住民票復活の方法も確認しておくのが良いでしょう。
さらに、銀行口座についても準備が必要です。日本の銀行口座の一部は海外からの利用が制限される場合があるため、必ずインターネットバンキングが利用可能な口座を確認してください。海外送金が容易になるよう、インド現地の銀行口座を開設する際の情報も収集しておくとスムーズに移住後の生活をスタートできるでしょう。
渡航前に確認すべき健康管理
インドへの移住では、健康管理がとても重要です。外務省が推奨する予防接種の中には、A型・B型肝炎、破傷風、腸チフス、狂犬病など、インドならではの環境や感染リスクに対応するものが含まれています。これらの予防接種は、普段日本であまり意識しない疾病から身を守るために必要な準備です。
特に狂犬病については、インドでは野良犬や猿などから感染するリスクがあるため、長期滞在者やアウトドア活動が多い方には接種を強くおすすめします。また、現地の水質や衛生事情に合わせて、胃腸薬や下痢止めなどの常備薬も揃えておくと安心です。「事前の備えが感染予防の第一歩」ですよね。
インドへ渡航する際の注意点
インドは日本と文化だけでなく衛生状況や生活環境も大きく異なります。そのため、渡航前にいくつか注意点を押さえておくことが大切です。例えば、インドの入国審査では大きな鞄や手荷物の中身について細かくチェックされることがあるため、ビザやパスポート、航空券のコピーなど主要書類はスムーズに取り出せる場所に用意しておくと良いでしょう。
また、インドの気候は日本と比べてかなり厳しい暑さや乾燥が特徴です。基礎化粧品や保湿アイテムなど、日本で使い慣れたものをある程度持参することも検討してください。一方で、持ち込み禁止品や制限品があるため、荷造りの際は日本とインド双方の税関規則を調べることが重要です。初めての移住は緊張しますが、準備万全なら不安はグッと減りますよね。
日本からインドへ持っていくべきもの
生活必需品:これがないと困るアイテム
インドへの移住に際して、まず忘れてはいけないのが生活必需品です。
特に、慣れない土地での生活をスムーズに始めるため、一部のアイテムは日本から持ち込んだ方が安心です。たとえば、スキンケア商品や常備薬は必須です。インドでは化粧水自体があまり普及していないため、普段使っている日本製の保湿力が高い化粧水や乳液を用意しておくと、とても役立ちますよ。また、インドでは硬水が一般的で、肌の乾燥が気になることもあります。そのため、日本製品の持つ肌を守る力が大切なのです。
ほかにも、折りたたみのシリコンカップのようなコンパクトで実用的なアイテムも便利です。例えば旅行や出先で必要なとき、軽量で持ち運びやすいこのようなものは重宝します。
さらに、インドでは日本語の本の入手が困難ですから、好きな本を持参しておくとリラックスタイムに役立ちます。何気ないこうした小さなアイテムが、日本の便利な生活習慣をそのまま持ち込む手助けをしてくれます。
現地では手に入りにくい日本特有のもの
インドでは、日本特有の商品が手に入りにくいケースが少なくありません。
例えば、日本製の調理器具や特定の文房具など、細かい部分で日本の品質が恋しくなることがあります。特に気をつけるべきなのは、食材や調味料です。インドの大型スーパーや日本食材店で一部は購入可能ですが、どこにでも売っているわけではなく、選択肢も限られています。
さらに、日常用品では鋭い切れ味の包丁や使い慣れた爪切り、綿棒などのクオリティにも違いを感じるかもしれません。インドでは代用可能な商品もあるとはいえ、日本特有の「ちょっとした使いやすさ」に慣れていると、持参して良かったと感じることが多いです。
インドで重宝するガジェットや電化製品
電化製品も慎重に選び、日本から持っていくことをおすすめします。
特にインドでは電圧が異なり(220V)、製品によっては変圧器が必要となることがあるため、対応しているかどうかを事前に確認してください。例えば、ノートパソコンやスマホの充電器はほぼ問題ないケースが多いですが、日本製の電動歯ブラシやドライヤーなどは注意が必要です。
また、インドでは停電が発生することがあるので、ポータブルバッテリーも非常に便利です。加えて、海外対応の電源タップやコンセントアダプターも必ず持参しましょう。気温が高く湿度の高いエリアが多いので、ファン付きのノートパソコンスタンドや除湿剤なども役立つかもしれません。
衣類や気候に適した持ち物の選び方
インドは広大な国で、地域ごとに気候が異なりますが、基本的に高温多湿な環境が多いです。そこで、移住後すぐの生活に備えて、薄手で通気性の良い衣類を中心に用意するのがおすすめです。特にコットン製品が快適で、暑さ対策にもなります。また、意外と忘れがちなのが、防寒対策です。例えば、冬のデリーやバンガロールでは意外に気温が冷え込むため、軽いジャケットやカーディガンを1枚持っていくと便利ですよ。
靴も選び方に注意しましょう。インドの道路事情は場所によって異なり、舗装されていない道もあります。しっかりした靴底の歩きやすいスニーカーがあると重宝します。また、女性は自分に合う下着が見つけにくいという声も多いので、事前に日本で必要な数を揃えておくことがおすすめです。
持ち込む際の注意点と荷造りのコツ
荷造りでは、スーツケースの重量制限に注意が必要です。航空会社の規定をしっかり確認し、重量をオーバーしないよう計画的に梱包しましょう。特に重い荷物は、現地調達できるものに絞るとスムーズです。液体もの(化粧水やスキンケア商品など)は、機内持ち込み手荷物では容量制限があるため、預ける荷物に入れるよう心がけてください。
また、物を詰めすぎないことも大切です。移住先で新しいものを購入する場合に備えて、スーツケース内に余裕を持たせておきましょう。現地での買い物やインド特有の商品を楽しむためのスペースも確保しておくと良いですよ。そして、壊れやすい商品は小分けにしてプチプチで梱包するなど、輸送中のトラブル対策も忘れずに。
実は不要だった!持って行かなくても良いもの
現地で代用可能な日用品
移住前の準備として「これは必要だろう」と思って持って行った日用品の中には、現地で簡単に見つかるものや、むしろインドの生活に適した代用品がある場合も多いです。
例えば、食器用洗剤や掃除用品は日本製を持ち込む必要はありません。インドでも十分使えるクオリティのものが豊富に揃っています。特に、地元製品の方が硬水や高湿度に適応しているため、むしろ取り扱いやすいというメリットもあります。
また、日本で買ったシャンプーやボディソープを心配して持ち込む方も少なくありませんが、多国籍企業製品がインドでも簡単に購入可能です。
現地の韓国系やアメリカブランドなど、品質の良い製品も見つかり、選択肢として十分です。過剰な荷物を避けるためにも、現地で代用できる日用品についてはリストアップして、持ち込むかどうかを検討されると良いでしょう。
インド生活で使わなかった持ち物リスト
移住後に「なんで持ってきたのだろう?」と思ったアイテムについてもぜひお話ししておきたいです。
例えば、日本語の文房具や、日本式の電卓などは思いのほか使いませんでした。現地で書類を管理するのに使うのは電子データ形式がほとんどで、それほど高性能な文房具は必要ありませんでした。
旅行用に小型の折りたたみ傘を持って行きましたが、インドではモンスーン期対応の大きな傘が主流で、そちらの方が実用的。結果的に、日本製の傘はあまり出番がありませんでした。何を持ち込むかを決めるときは、「現地での使い勝手」もぜひ考慮してください。
インド特有のサイズや規格で不要になるもの
インドの生活では、特有のサイズや規格の違いから不要になるものも意外と多いです。
例えば、電化製品に関しては、日本の家電をそのまま持ち込むと電源プラグの形状や電圧が現地と合わないことがしばしばあります。変換プラグや変圧器を準備する手間を考えると、現地で購入した電気アイテムの方がコスパも良く便利です。
さらに、衣類についても注意が必要です。特に靴のサイズに関して、日本で購入したものではインドの石畳や砂埃にあまり適していないことがあります。インドの気候や地形に合わせたサンダルやウォーキングシューズが現地で簡単に手に入りますので、日本から持ち込む必要はありませんでした。
過剰に持ちすぎてしまったものの対策法
引っ越しの際にありがちなのが「念のため」と思って詰め込みすぎてしまうことです。私も初めてインドへ移住する際に、あれもこれもと心配でスーツケースの中身がどんどん増えてしまいました。しかし、実際に現地の生活をしてみると、そのほとんどが不要だったり、使わないまま置きっぱなしになることもしょっちゅうでした。
これを避けるには、「持ちたいものリスト」に優先順位をつけることが大切です。例えば「生活必需品」「なくても代用可能」「完全な趣味アイテム」などに分類しましょう。その上で、本当に必要なものだけを厳選してください。また、共用できるものは家族で分担して持ち込むなど、工夫次第で荷物を大幅に減らすことができますよ。
過剰に持ち込んでしまった場合は、現地で使う機会を見つけるか、必要な人に譲るのも一つの手です。例えば、渡航後数か月が経ち現地の生活になじむタイミングで、日本人コミュニティ内で不要品を交換したり販売したりするイベントに参加するのもおすすめです。
こういった場では、逆にインドで生活に役立つアイテムをお得に入手できることもあります。
現地調達がおすすめ!インドで買うべきもの
調味料や食材:現地の味に合わせたセレクト
インドに移住後、現地で独特な調味料や食材を調達すると、生活がぐっと楽になります。特に、スパイスは種類が豊富で質も良く、価格も手頃です。
例えば、クミン、ターメリック、コリアンダーなどの基本的なスパイスがスーパーやマーケットで簡単に手に入ります。これらはインド料理だけでなく、自炊する際の日本料理や創作料理にもアレンジして使えるので便利です。
また、豆類やライスも現地の主食として欠かせません。特に「バスマティライス」は香り高く、カレーとの相性が抜群です。他にも、新鮮なマンゴーやパパイヤといったトロピカルフルーツもスーパーや路上で買えるため、試してみてはいかがでしょうか?こういった調味料や食材は、現地の味を楽しむだけでなく、節約にも繋がります。
日用品・洗剤などコスパが良い商品
日用品や洗剤は、インドのスーパーやマーケットで現地ブランドのものを購入するのがおすすめです。コスパが良く、品質も必要十分なものが多いです。
例えば「Surf Excel」や「Ariel」といった洗剤ブランドはインドで広く利用されており、主婦にも人気があります。また、ハンドソープやシャンプーなども現地で調達するだけで十分対応可能です。日本製品と比較するとパッケージや香りに違いはあるものの、日常的な使用には困りません。
ただし、敏感肌の方や特定の成分にこだわりがある場合は、日本からお気に入りの製品を持参しておくと安心です。
現地特有の服飾や生活用品
インドでは気候に合わせた服装が必要になってきます。そのため、現地の市場やショッピングモールでインド特有の衣類を手に入れるのがおすすめです。特に「クルタ」や「サルワールカミーズ」といったゆったりとした服は、蒸し暑いインドの気候に適しており快適です。
また、モダンなデザインのTシャツやデニムも地元ブランドで揃えることができますよ。生活用品としては、バンガロールのような都市部には、IKEAやD’Martといった汎用性のある店舗もあるので、家具やキッチン用品を比較的安価に購入できます。現地の特有の文化を楽しみながら、必要なものを揃えるのが良い方法です。
インドの電子機器や家電購入事情
インドで電子機器や家電を購入する際には、まず電圧やプラグ形状の違いを確認する必要があります(インドの電圧は230Vが一般的)。エアコンや冷蔵庫といった大型家電は、日本から持ち込むのではなく現地で購入した方がコスト的にも手間的にも効率が良いです。
また、小型の電子機器では、XiaomiやRealmeといった現地や中国系のブランドが安価で性能も良い製品を提供しています。例えば、スマートフォンやイヤホンは多くの選択肢があり、多機能ながらコストパフォーマンスに優れた製品を見つけることができるでしょう。
一方で、国際保証がない製品もあるため、購入後のアフターサービスについては注意が必要です。
その他:現地のおすすめショッピングスポット
インドでショッピングを楽しむなら、マーケットとショッピングモールの両方を活用しましょう。例えば、バンガロールでは「Commercial Street」が有名なショッピングエリアで、衣料品やアクセサリー、小物を手頃な価格で購入することができます。
また、「Phoenix Marketcity」のような大型ショッピングモールでは、国際的なブランドや地元ブランドの商品を快適な環境で買い物できます。さらに、週末のファーマーズマーケットや路上の出店では、新鮮な野菜や手作り工芸品など、ローカルな雰囲気を味わいながら買い物ができます。
こういった場所を巡るのも、インドの日常に触れる良い機会になるでしょう。
まとめ
日本からインドへの移住は、単なる引っ越しとは大きく異なります。現地の文化や気候、生活環境が日本とは大きく違うため、事前の準備や情報収集が欠かせません。移住前の準備としては、ビザや航空券の手配から、健康管理、持ち物の選定まで多岐にわたり、計画的に進めることが必要です。
一方で、移住後の現地適応には柔軟な姿勢が求められます。必要なアイテムはしっかり持参しつつも、インドでしか手に入らないものや現地特有の生活用品を活用することで、暮らしの質を向上させられるでしょう。また、自炊力や生活費の管理といったスキルも、インドでの生活を充実させるためには重要なポイントです。
移住の成功のカギは「日本の流儀」に固執することなく、現地の環境に適応し、メリハリをつけて新しい生活を楽しむことだと思います。インドで新しい生活をスタートするためのヒントや情報が少しでも参考になれば幸いです。自分らしいインドライフをしっかりと築いていきましょう!
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