映画『深夜食堂』のナポリタン編を見て、「最後にたまこが集金していたのはなぜ?」「遺産をもらったという話は本当だったの?」と気になった方も多いのではないでしょうか。
高岡早紀さん演じる川島たまこと、柄本時生さん演じる西田はじめ。幸せになれそうだった2人が突然別れてしまう展開は、なんとも切なかったですよね。
しかも、最後にはたまこがお金を集めているような場面があり、その意味もはっきりとは説明されていません。
この記事では、
- ナポリタン編の最後の集金シーンの意味
- たまこが金貸しをしていたという説
- 遺産を本当にもらったのかという疑問
- はじめと別れた理由やたまこの本心
について、映画のあらすじやレビュー、公開当時の視聴者の声をもとに見ていきます。
結論からいうと、最後の集金には金貸しや不動産関係の収入など複数の解釈があります。また、物語ではたまこに遺産が入る展開が描かれますが、ラストを見て、その話が本当だったのか疑問を持つ視聴者もいます。
この違いを知ると、ナポリタン編の切ない結末が少し違って見えてくるかもしれません。
映画『深夜食堂』ナポリタン編の最後の意味とは?
ナポリタン編の最後の集金シーンは、
たまこが夜の店と金銭的なつながりを持っていたことを示す場面と考えられます。
有力なのは、店に貸したお金を回収していたという解釈ですが、不動産の賃料などを集めていた可能性も指摘されています。
映画『深夜食堂』は、
2015年1月31日に公開された松岡錠司監督の作品。
安倍夜郎さんの漫画を原作とし、
「ナポリタン」「とろろご飯」「カレーライス」の3つの物語が描かれています。
ナポリタン編では、亡くなった不動産会社社長の愛人だった川島たまこと、年下の西田はじめの恋愛が中心になります。
2人は一緒に暮らすことまで考えるようになりますが、たまこが遺産を受け取れることになったと告げ、関係は突然終わってしまいます。
その後に描かれるたまこの行動が、結末を考えるうえで重要なポイントになっているのです。
映画の雰囲気を振り返りたい方は、公式予告編もチェックできます。
たまこが最後に集金していたのはなぜ?
ナポリタン編の終盤、たまこは「めしや」を出た後、夜の店を訪れます。
そこで店の関係者からお金を受け取るような場面が描かれますが、何のための集金なのかは詳しく説明されていません。
実は、この疑問は映画公開直後から視聴者の間で話題になっていました。
2015年2月のYahoo!知恵袋では、
質問者が、たまこはキャバクラのような店で集金らしいことをしていたと説明しています。
さらに、店員から再びお金を融通してほしいと頼まれ、それを了承するような会話があったとも述べていました。
ここで注目したいのは、
たまこがお金を受け取るだけでなく、店側から資金の提供を求められていたという点です。
単なる買い物や支払いではなく、
以前から金銭のやり取りがあった可能性を感じさせますよね。
ただし、追加の融通に関する具体的な会話は、今回確認できた視聴者の記述に基づくものです。
映画の中で、たまこの職業や店との契約内容が明確に語られているわけではありません。
金貸しだった?追加の融通を求められた場面の意味
では、たまこは具体的にどのような形でお金を受け取っていたのでしょうか。
視聴者の考察や映画レビューでは、主に次のような解釈があります。
| 解釈 | 考えられる内容 |
|---|---|
| 金貸し説 | 店に貸していたお金の返済を受けていた |
| 不動産関係の集金説 | 店舗の賃料などを受け取っていた |
| みかじめ料説 | 店との何らかの関係を背景に金銭を集めていた |
映画.comに掲載されたレビューでは、
たまこがゴールデン街の店で7万3千円を集金していると受け取り、テナント料やみかじめ料の可能性に触れています。
さらに、不動産会社が所有する賃貸物件の権利を相続したのではないか、という見方も示されていました。
一方、追加の資金提供を求められたという会話に注目すると、金貸しだったという解釈も成り立ちます。
すでに店へお金を貸していたからこそ、
返済を受ける一方で、新たな融資を頼まれたという考え方ですね。
ただし、みかじめ料説を含め、いずれも視聴者やレビュー投稿者の推測です。
集金の具体的な理由について、制作側による明確な説明は確認されていません。
そのため、特定の説を正解と決めるよりも、
たまこが夜の街で何らかの金銭的な関係を持っていたことに注目するのが自然でしょう。
そして、この場面は彼女の仕事だけでなく、はじめと別れた後の生き方を表しているとも受け取れます。
では、その生活と遺産の行方には、どのような関係があるのでしょうか。
川島たまこは遺産をもらったのか?
ナポリタン編では、たまこが一度は受け取れなかった遺産を、後から受け取れることになる展開が描かれます。
この点は、複数のあらすじや映画レビューでも確認できます。ただし、最後の集金シーンを見て、遺産の話は本当だったのかと疑問を持つ視聴者もいます。
ここでは、物語の展開として説明されていることと、視聴者による別の解釈を分けて考えてみましょう。
社長の死後、遺産を受け取れなかった事情
たまこは、不動産会社社長の愛人として暮らしていた女性。
ところが、社長が突然亡くなり、
期待していた遺産が手に入らず、落ち込んでしまいます。
そんな彼女が訪れたのが、マスターの営む「めしや」でした。
そこで注文したのが、熱い鉄板に卵を敷いたナポリタンです。たまこにとってナポリタンは、子どもの頃にデパートの食堂で食べた特別なごちそうでした。
亡くなったパトロンとの生活では、
相手がスパゲティを好まなかったため、なかなか食べられなかった料理でもあります。
そう考えると、懐かしいナポリタンを味わう場面には、自分らしさを取り戻すような意味も感じられますね。
ちなみに、高岡早紀さんは映画公開時のインタビューで、鉄板ナポリタンが松岡錠司監督にとっても子どもの頃の思い出の料理だったと明かしています。
監督が育った愛知県では「イタリアン」と呼ばれていたそうで、デパートの食堂で食べるちょっとしたごちそうだったとのことです。
物語の中で、たまこは年下のはじめと親しくなり、一緒に暮らすことまで考えるようになります。
ところが、その後に遺産を受け取れる話が持ち上がり、2人の関係は変わってしまうのです。
2015年2月に掲載された映画瓦版の批評では、亡くなった社長の遺言書を未亡人が書き換えていたことが分かり、たまこにも多額の遺産が入るという経緯が説明されています。
このように、たまこに遺産が入ることになったのは、あらすじ上でも確認できる展開です。
ただし、遺言書の詳しい経緯については映画瓦版の記述によるもので、今回、映画本編の映像を直接確認したわけではありません。
遺産を受け取った説と嘘だった説を比較
たまこの遺産については、物語の流れをそのまま受け取る見方と、別れのための嘘だったのではないかという見方があります。
まず、遺産を受け取れるようになったという見方です。
映画瓦版や映画.comのレビューでは、
たまこに遺産が入ることになり、それをきっかけにはじめとの関係が終わったという展開が説明されています。
この解釈では、たまこははじめとの生活よりも、財産を得た後の人生を選んだことになります。
一方で、別の見方もあります。
それが、遺産が入るという話は、
はじめと別れるための嘘だったという説です。
2015年2月のYahoo!知恵袋では、
たまこは本当は遺産を受け取れず、はじめを遠ざけるために嘘をついたのではないかという考察が投稿されていました。
ただし、別の回答者は、遺産を手にしたことで金貸しができるようになった可能性を挙げています。
さらに、2015年8月の別の質問では、質問者がDVDを見直したうえで、受け取った遺産を元手に金貸しをしているようにも見えると述べていました。
これらを整理すると、次のようになります。
| 見方 | 内容 |
|---|---|
| 遺産が入ったという解釈 | 複数のあらすじやレビューで説明されている物語の展開 |
| 遺産の話は嘘だったという解釈 | ラストシーンや別れ方から生まれた視聴者の考察 |
あらすじ上では遺産が入る展開として説明されている一方、その話を疑う視聴者の解釈もある、という整理が適切でしょう。
嘘だった説は興味深いものの、
それを裏付ける制作側の説明が確認されたわけではありません。
集金シーンから遺産の行方は分かる?
では、最後の集金シーンによって、
遺産の話が本当だったかどうか判断できるのでしょうか。
ここで大切なのは、集金していることだけでは、
そのお金の出どころや、財産を得た経緯までは分からないという点です。
仮にたまこが金貸しをしていたとしても、
以前から自分の資金を使っていた可能性もあれば、遺産を受け取った後に始めた可能性もあります。
不動産関係の収入だったとしても、
具体的にどのような権利を持っていたのかは説明されていません。
そのため、最後の場面を理由に、
遺産が入るという展開を否定することはできないのです。
むしろ注目したいのは、たまこがはじめとの穏やかな暮らしを手放した後も、夜の街でお金と関わる生活を続けているように見えることです。
ラストシーンは遺産の真相を覆す証拠というより、たまこが選んだ生き方を観客に考えさせる場面だったのかもしれません。
そう考えると、はじめとの別れにどんな気持ちが隠されていたのかも気になりますよね。
たまこが西田はじめと別れた理由は?
ナポリタン編で特に切なかったのが、
たまことはじめの別れ。
年齢も生きてきた環境も違う2人でしたが、一緒に過ごす時間は楽しそうでしたよね。それだけに、突然の別れには驚いた方も多かったのではないでしょうか。
たまこは本当にお金のためにはじめを捨てたのか。それとも、別の気持ちが隠れていたのでしょうか。
遺産が入ると告げて、はじめと別れた経緯
はじめは、城のプラモデル作りを趣味とする年下の男性です。
たまこと出会ってからは、お互いに距離を縮め、一緒に暮らすことまで考えるようになります。
失意の中にいたたまこにとって、
はじめの素直な優しさは心地よいものだったのかもしれません。
ところが、たまこは遺産を受け取れることになったと話し、2人の関係を終わらせます。
映画瓦版では、この展開とともに、たまこには「人生で本当に大切なものは一つしか手に入れられない」という考え方があると説明されています。
この言葉を踏まえると、たまこはお金も愛情も両方手に入れることはできないと考えていたのかもしれません。
また、Xでも、ナポリタン編について、遺産相続に失敗した女性と若いサラリーマンが恋をするものの、男性が捨てられてしまう物語として振り返る投稿が紹介されています。
深夜食堂 松岡錠司監督 小林薫主演 同名のドラマの劇場版。原作は安倍夜郎の漫画。ナポリタン:高岡早紀、柄本時生。愛人を亡くし遺産相続に失敗した元ホステスとしがないサラリーマンが恋をするが、男は捨てられる。
— lingmoo (@mmirtik_) August 20, 2018
別のX投稿では、本当に欲しいものは一つしか手に入らないという趣旨の言葉も取り上げられています。
映画「深夜食堂」ナポリタン 「本当に欲しいものは、一つしか手に入いんないのよ。欲張っちゃダメよ、はじめちゃん」
— Kichitaro Kisamori (@noseis) June 3, 2021
ここで気になるのは、
たまこが本当にはじめを嫌いになっていたのかという点です。
遺産を受け取れるようになったことで、お金のある生活を選んだとも考えられます。反対に、別れのために遺産の話を利用したと考えるなら、はじめとの将来に不安を感じ、あえて身を引いた可能性もあります。
どちらの場合でも、たまこの気持ちを単純に「お金を選んだから」と片付けるのは難しそうです。
プラモデルを壊した理由とたまこの本心
たまこの気持ちを考えるうえで忘れられないのが、はじめの大切なプラモデルを壊してしまう場面です。
はじめが大事にしていた城のプラモデルを、たまこはわざと壊したように描かれています。
映画.comのレビューでもこの場面が取り上げられており、別れの展開を象徴する出来事になっています。
この行動には、主に2つの解釈が考えられます。
1つ目は、はじめに自分を嫌いになってもらうためだったという説です。
優しいはじめは、普通に別れを告げられただけでは、なかなか諦められなかったかもしれません。
だからこそ、あえて嫌われるような態度を取り、2人の関係を終わらせようとしたとも考えられます。
2つ目は、これまでの生き方を選び直すためだったという説です。
はじめとの素朴な暮らしに幸せを感じながらも、たまこは自分が慣れ親しんできた世界を離れられなかったのかもしれません。
そう考えると、プラモデルを壊す行動は、2人で思い描いていた未来を自ら断ち切るようにも映りますね。
では、たまこを演じた高岡早紀さんは、
どのような思いで役に向き合っていたのでしょうか。
映画公開時のインタビューでは、松岡錠司監督との撮影について、余計な芝居を加えず、できるだけ自然体で存在することを意識したと語っています。
また、たまこは愛人の遺産を受け取れず落胆しながらも、若い男性との出会いを通じて新しい自分を見つけようとする女性として紹介されていました。
この紹介からも、たまこの物語には、
お金の問題だけでなく、新しい人生を探そうとする気持ちが含まれていることがうかがえます。
ただし、高岡早紀さん自身が遺産の真相や別れの理由を明言したわけではありません。
Xでは、ナポリタン編の高岡早紀さんの演技を称賛する感想も紹介されていますね。
映画「深夜食堂」ナポリタン 「本当に欲しいものは、一つしか手に入いんないのよ。欲張っちゃダメよ、はじめちゃん」
— Kichitaro Kisamori (@noseis) June 3, 2021
たまこの行動だけを見ると冷たい女性にも見えますが、その表情や態度から、簡単には割り切れない思いを感じた方もいるのではないでしょうか。
ちなみに、マスター役の小林薫さんは、映画.comのインタビューで、映画にはすべてを説明しきらない「余白」があってもよく、見る人がさまざまな思いを感じたり想像したりすることが大切だと語っています。
これはナポリタン編の結末だけを説明した発言ではありませんが、たまこの本心が明確に語られない理由を考えるうえでも興味深い言葉ですよね。
たまこは本当にはじめを好きだったのか。それとも、これまでの生活を手放せなかったのか。
どちらの解釈にも切なさが残り、だからこそ、見終わった後も心に残る物語になっているのかもしれません。
まとめ
映画『深夜食堂』のナポリタン編について、最後の集金シーンや遺産の謎、たまこがはじめと別れた理由を見てきました。
今回のポイントを振り返ると、次のとおりです。
- 最後の集金シーンには、金貸し説、不動産の賃料説、みかじめ料説などがある
- 追加の資金提供を求められたという視聴者の証言から、金貸し説も考えられる
- たまこに遺産が入る展開は、複数のあらすじやレビューで確認できる
- 遺言書を未亡人が書き換えていたという経緯も、映画瓦版で説明されている
- 一方で、遺産の話は別れるための嘘だったと考える視聴者もいる
- プラモデルを壊したのは、はじめを遠ざけるためだったとも解釈できる
結論として、最後の集金シーンは、遺産が入ったという展開を否定する決定的な証拠ではありません。むしろ、はじめと別れた後のたまこの生き方を示す場面として見ることができます。
そして、はじめと別れた本当の理由についても、お金だけで説明できるとは限りません。
個人的には、2人で過ごした時間がたまこにとって大切だったからこそ、あの別れ方には複雑な思いがあったのではないかと感じます。
子どもの頃のごちそうだったナポリタンを食べて、久しぶりに素朴な幸せを思い出したたまこ。そんな彼女が、最後には再び夜の街へ戻っていく姿は、どこか寂しく映りますよね。
本当に欲しかったのは、お金だったのか。それとも、はじめと過ごす何気ない毎日だったのか。
はっきりと答えを示さず、見る人それぞれに考える余地を残しているところも、『深夜食堂』の魅力なのでしょう。


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